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2017年 06月 06日
自転車を漕いでいたら虫が眼に入った。強風に煽られてか気の迷いか、よりによってこんな小さな眼に入らなくてもいいのに。空はこれだけ広いのに。異物を排除しようとする生理現象から溢れる涙によって彼は溺死した。殺す気は、なかった。
パパンが死んだ。息を引き取ったのは5月最後の日曜日だった。
3月の公演の直前に本人以外の家族は医師からの余命宣告を受けていたのだけど、本人には終ぞその事実を伝えないままだった。どっちが正解だったのか、きっとこの先も答えは出ないだろう。
同じように父親を亡くした経験を持つ友人たちに聞くところによると、
パパンが死んだ。息を引き取ったのは5月最後の日曜日だった。
3月の公演の直前に本人以外の家族は医師からの余命宣告を受けていたのだけど、本人には終ぞその事実を伝えないままだった。どっちが正解だったのか、きっとこの先も答えは出ないだろう。
同じように父親を亡くした経験を持つ友人たちに聞くところによると、
「最低5年はつらい」
「10年経っても慣れない」
「切り替えるとか割り切るなんて無理。それとどうやって向き合っていくか」
とのこと。
とのこと。
生まれてから33年とちょっと、いることが当たり前だったし、実家を出てからのこの10年は一緒にいる時間なんてほとんどなかったこともあり、正直実感がない。実感を持ってしまうことが怖くもある。
こうして父の部屋で文章を打っていると、主人のいなくなった物ほど悲しいものはないと思える。
こうして父の部屋で文章を打っていると、主人のいなくなった物ほど悲しいものはないと思える。
by jet-beetle
| 2017-06-06 23:57
| 雑記