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本駒込に一度も降りたことのない市原ユウイチが主義、主張、哀願をつづるブログ。忘れようとしても思い出せないブログ。


by jet-beetle

ガタカ

ようやく『ガタカ』を観た。


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カルト的な人気を集める97年の映画。SF映画の体を成しながら、人間の可能性や夢のために努力する姿を描いた作品。マイケル・ナイマンの音楽が切なく、美しい。


努力礼賛映画、というと意地悪な言い方かもしれない。自分の努力によって何かを克服したり競争に勝ったりしたことのない、いわば成功体験の希薄な人間には観ていて辛いものがあるかもしれない。あたし? ははは。


だけど、この作品で描かれる個人の可能性は、かつてアメリカン・ニューシネマが隆盛を極め、無力感と諦めの空気が支配した60年代後半から70年代に『ロッキー』や『 スター・ウォーズ』といった映画の登場で希望や個人の可能性を描く映画が息を吹き返したのを想起させるものがある。当時生まれてもいない人間の読み漁って得た知識の想像にすぎませんが。


あきらめるな。誰にでも可能性はある。「信じた自分に絶望的に賭けるのだ」という岡本太郎の言葉が思い出される。この世は不可能なことばかりじゃない。欠点を探すことばかりに必死になっているから本当のところが見えなくなる。消えかかっている自分の火に薪をくべられたような気さえした。


昔、『ALWAYS 三丁目の夕日』を観た時に、時代設定を現在じゃなくすることによって今も昔も変わらない人間の姿が浮き彫りになっていると感じたが、今作にも同じものを感じた。むしろ、文明が発達すればするほど人間の絶対に失われない芯の部分が露呈するんじゃないかと。


10年ほど前に『ショーシャンクの空に』を観た時、あまりに周囲が絶賛するものだから期待して観たのだけど感想としては「脱獄しちゃダメじゃん」だった。今作にも似たようなことは思わなくもないのだけど、まぁ、やったもん勝ちなのかもしれない。本当に頑張っていれば、目をつぶって応援してくれる人がいる。あ、身近であるわ、そういうの。


ユマ・サーマンは『キル・ビル』のイメージが強烈すぎて払拭できのゎい。




諦めれば諦めるほど人生はつまらなくなっていく。可能性が無くなっていくんだから。自分を好きになれる選択をしていかなきゃ。これからの人生それだけだ。




etk.


by jet-beetle | 2017-11-02 13:20 | 映画の話