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本駒込に一度も降りたことのない市原ユウイチが主義、主張、哀願をつづるブログ。忘れようとしても思い出せないブログ。


by jet-beetle

世の中

山手線に乗っていたら、足下を柿が転がってきた。ゴロゴロと。いくつも。落としたのは老人のようだった。柿を入れていた紙袋が破けてしまったのが原因だったらしい。「あらあら」なんて言いながら慌てて柿を集めようとする老人。そんな光景に、周囲にいた乗客たちも笑いながら拾ってあげていた。
電車はすぐに高田馬場に着き、老人はたくさんの柿を抱えて慌てて降りたが、紙袋は破けてしまっているので柿を入れるものはなく、ホームでも柿を落としてしまっていた。やれやれ、といった顔で周囲を見回す老人。車両中の人間がその様子をどうすることも出来ないまま見守っていた。その時、一人の青年が現れ、持っていた紙袋を老人に渡した。そこで列車の扉は閉まり、そこから先の光景を僕らは知らない。青年が「うっそぴょ~ん」などと言って渡した紙袋を奪い返したかもしれないし、ゴルゴが老人を狙撃したかもしれない。舞台も同じだ。幕が閉じたと言ってもそれは観客が観ることの出来る時間が終わっただけで、登場人物たちの人生は続いていく。


今日はいい夫婦の日です。最近は次の舞台のために、沖縄料理ばかり食べています。我輩は貝である。
by jet-beetle | 2008-11-22 22:44 | 雑記