本駒込に一度も降りたことのない市原ユウイチが主義、主張、哀願をつづるブログ。忘れようとしても思い出せないブログ。


by jet-beetle

近代能書集3『君が好きだと叫びたい』

BGM:みなし児のバラード


深夜高速こんばんは。市原です。5月23日というと、2001年にTMGEが雨の代々木公園でフリーライブをやり、キングブラザーズがメジャーデビューして以降、僕の中では6月9日と並ぶ“ロックの日”として有名なわけですが、そのことは本文と関係ない。

吉祥寺の映画館バウスシアターが閉館するという報せを受けたのが、春まだ遠いあの季節。

バウスシアターへは『アーティスト』『わが母の記』、昨年の爆音映画祭における『炎628』『ファントム・メナス』『ラスト・ワルツ』など度々足を運びました。思い出深いこともたくさんあります。『百万円と苦虫女』を観に行った際、映写機のトラブルか何かで開始早々に上映が止まってしまい、数分ほど無の時間を過ごしたこと。稽古を早退して『kocorono』を観に行ったこと。『炎628』終映後に場内に沸き起こった拍手。

そんなバウスシアターは現在、1ヶ月強にわたるクロージングプログラムを開催中。過去の名作、珍作を邦洋問わず上映しているのだけれど、貧困にして吝嗇なる当方、選びたるプログラムは『愛のむきだし』。

今や押しも押されもせぬメジャー映画監督となった園子温監督の作品。5年前に発表され、大変話題となり、監督がここまでメインストリームに上がるきっかけとなった作品(だと思う)。

しかし市原、園監督作品に対して食わず嫌いなところがあった。実見する前に周囲がやたら絶賛、喝采、狂騒するのを見て嫌気がした、というのが正直なところで、その後にDVDで『冷たい熱帯魚』や『ヒミズ』を観た後も「かなり興味深く拝見したが、そこまで騒ぐほどか?第一こんなエグくてイヤ〜な映画がもてはやされる日本映画界はどないなっとんのや」と、あまりいい印象を持たずにいた。いたわけです。

今回の『愛のむきだし』にしたって、247分という長尺ということもあり、レンタル店でも手が伸びずにいた。が、今回のプログラム一覧を一覧して、物見遊山、行っとくか、って。そのくらいのアレで。

やっぱりというか何というか、途中まで観ていてツラくなるところもあり、それはなんでなんだろうと考えるに、自分の中のどうにもならない部分や、社会や他者、多数派など自分の力の及ばないことがたくさん描かれていて、そういうことってもう何十年も僕が目を逸らしてきたことなんです。そういう、力の及ばないことに対して悲しいとか悔しいとかいう感情を抱くのも嫌だから、ないことにしちゃったの。かつて。それをあらためて「逃げんじゃねぇよ。お前が目ぇ逸らしたってそれはちゃんとここに在るんだよ」って言われてるようで、顔をしかめながら観なきゃいけないシーンも多々。

でも、ほんっっっとーに、映画館で観て正解だった。いろんな解釈とかは置いといて、生命力に満ちた最高の映画だった。ツイッターでも呟いたけど、映画館1800円、レンタルDVD100円。値段だけじゃなく、感動も1/18になることが少なくない。特に僕みたいに集中力が低く、自分の部屋に誘惑の多い人間は作品を100パーセント味わおうとするなら、縛りのある映画館に行くべきなのや。突然ですが終わります。眠い。


etk.
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by jet-beetle | 2014-05-23 02:50 | 雑記 | Comments(0)